狭小住宅でも3 階建てなら伸び伸び暮らせる!

1,662view2017.06.15

3階建て

小さな敷地でも広い生活スペースを確保できると人気の3 階建て。3 つのフロアをどう活用するかによって、ライフスタイルにも大きな影響が出てきます。ここでは3 階建ての暮らしについて、デメリットも含めて考えてみましょう。

3 階建て住宅が人気の理由と、注意したいことは?

特に都市部で3 階建てが人気なのは、言うまでもなく狭小敷地でそれなりの広さの床面積を確保するため。たとえば建築面積が10坪の場合なら、2 階建てでは延べ床面積は最大でも20坪。でも3 階建てで10坪×3 フロアのプランが可能なら、延べ床面積は30坪に! これなら家族4 人でも十分快適に暮らせる住まいになりますね。

 都市部の住宅密集地などで、1 階の日当たりや風通しがよくない場合でも、条件のいい23階にLDK をつくれば問題はクリアできます。3階からは眺めを楽しめる場合もあるので、ぜひプランに生かしたいですよね。1 階は水回りや、夜間しか使わない寝室、ビルトインガレージなどにすれば、条件の悪さも気になりません。

ただし、3 階建てはどんな敷地にも建てられるわけではありません。敷地には用途地域によって、建ぺい率や容積率、高さ制限などさまざまな法規制があり、その範囲内で建築するように定められています。

こうした条件については、土地購入の際に不動産業者から説明があるはず。もし最初から3 階建てを希望するなら、建築できる敷地かどうかをきっちり確認することをわすれずに。

 

CASE STUDY

都市部の住宅密集地に実現! 日当たりにも眺望にも大満足の3 階建て

S さん宅( 東京都 )

「以前の住まいが高層マンションだったこともあって、一戸建てでも眺めにこだわりました。手に入れたのは都市部の小さな旗竿敷地でしたが、北側が高台の上にあたっていて、周囲の緑も豊か。3 階建てにして窓のとり方に工夫すれば、眺望のいい住まいができると、建築家さんからもアドバイスされました」

Sunagawa tei 間取り

DATA

家族構成    夫婦+子ども1

敷地面積    86.74(26.24)

建築面積    39.31(11.89)

延べ床面積  101.14(30.59)

            1F39.31 ㎡+2F39.31 ㎡+3F22.52

構造・工法  木造3 階建て( 軸組み工法、準耐火構造 )

設計        unit-H  中村高淑建築設計事務所

            ( 中村高淑、青山えり子 )

            www.unit-h.com

 

外観

南側の外観。右手前の空き地にはいずれ家が建つ予定なので、旗竿敷地のアプローチ部分に向けて大きな窓をとりました。

 

LDK

家族が長く過ごすLDK2 階にプラン。ワンフロアをまるごと使って広がりを感じさせています。

 

LDK

和室ソファの背後には小さな畳スペースが。赤ちゃんのお昼寝やゲストのお泊まりなどに活躍中。

 

階段

2 階から3 階へつづく階段。スケルトンタイプにしたので圧迫感がなく、3 階の窓からの光も通ります。

 

DK

ダイニングのコーナー窓は、東京タワーや六本木ヒルズを見渡せる抜群の眺望。こちらは北側にあたりますが、このコーナー窓とトップライトのおかげで、明るさは十分。

 

キッチン

設備、収納、デザインにこだわってオーダーしたキッチン。ダイニングテーブルと一列につなげてレイアウト。

 

収納

キッチンカウンターのリビング側をあけると、ティーセットやグラスがずらり。奥行きが浅いのでしまいやすいそう。

セカンドリビング

3 階には明るくて眺めもいいセカンドリビングが。将来は壁を立てて子ども部屋にする予定。

 

バルコニー

北側斜線のため居室にできなかった部分を、バルコニーとして活用。セカンドリビングから出入りします。ここからの眺めも最高!

 

寝室

寝室は1 階にプラン。上階がキッチンにあたり、配管の関係で天井の一部が下がりましたが、それを逆手にとって間接照明に役立てました。

 

洗面室

寝室と同じく、水回りも1 階に。共働きで朝の支度の時間が重なるため、洗面台はツインボウルにしました。

 

3 階建てに多い不満ポイントと、その対処法は?

小さなフロアが3 層になっている3 階建てでは、暮らしにくさを感じることもあるよう。ここでは3 階建てユーザーからよく聞かれる不満点とともに、対策についても考えてみます。

 階段の上り下りが大変!

2 階にLDK があると、日当たりやプライバシーの面では有利な反面、どこに行くにも階段の上り下りが必要に。

対策→こればかりは防ぐのは困難。1 階の階高を抑えて階段を短くしたり、階段の勾配をゆるやかにすると、やや負担が軽くなる。

 

 上の階の音が気になる

夫婦の帰宅時間が遅い場合、キッチンやダイニングの下に子ども部屋があると、足音や排水音などが気になることも。

対策→DKの下は夫婦の寝室にするか、どうしても子ども部屋にするなら床の防音対策をしっかりと。また、キッチンの下を洗面室・浴室にしておくと、配管が1 カ所にまとまってコストダウンになり、音の問題もクリアできる。

 

子どもが自室に直行してしまう

2 階にLDK1 階に子ども部屋があると、親が気づかない間に子どもが帰宅して、自分の部屋に入ってしまうことも。

対策→2 階のLDの中に階段をつくり、そこを通って3 階の子ども部屋へ向かうようにする。

 

洗濯物を運ぶのが大変!

1 階に洗面室( 洗濯機置き場 )3 階に物干しバルコニーがあると、濡れて重くなった洗濯物を持って2 フロア分の階段移動をすることに。

対策→洗濯機を3 階の廊下などに設置できれば、濡れる前の軽い洗濯物を運ぶだけですむ。または、水回りそのものを物干しバルコニーのあるフロアにプランする手も。

 

1 階が道路面より低いと、大雨が心配

高さ制限の厳しいエリアで、敷地を堀り込んで3 階建てを建てた場合、1 階部分が道路面より低くなるため、大雨のときに水が流れ込む可能性も。

対策→浸水を想定して排水対策を整えたり、基礎部分を高くするなどの配慮をしておくと安心。

 

狭小住宅でも3 階建てならビルトインガレージがつくれる!

広さにゆとりのない狭小敷地では、建物の外に駐車スペースをつくるのは難しいもの。3階建てなら1 階をビルトインガレージに、その上の23 階を居住スペースにすることで、駐車スペースを無理なく確保できます。さっそく実例を見てみましょう。

case study 1

間取り間取り

外観

外観

建築面積約11坪の狭小3 階建て。建築用レンガを透かし模様に組み、道路との境界線として役立てています。ドアとビルトインガレージの入り口はポリカーボネート。

 リビングからデッキを見た様子

室内からのデッキ

ビルトインガレージの上にあたるLDとデッキ。階下がガレージや玄関ホールだと、足音を気にせずに暮らせるのもメリット。

 

 

case study 2

間取り

間取り

 

外観外観こちらも敷地面積は12坪。最初からビルトインガレージを希望していたため、設計者から3 階建てを提案されたそう。道路側には木を多用して、やわらかい雰囲気に。

 テラスの様子

テラス

2 階リビングにつづくデッキは、バーベキューパーティなどに大活躍。高めのフェンスを立てて周囲からの視線を遮っています。

 

まとめ

3階建てにはたくさんのメリットがありますが、やっぱりデメリットもつきもの。あらかじめ知っておけば、間取りプランで対策を講じることができ、狭小でも暮らしやすい3 階建てになるはずです。

この記事のライター:後藤由里子
主婦の友社刊「はじめての家づくり」をはじめ、数々の住宅・生活関連記事を手がけるライター。キャリアは20年、これまでの実例や建築家、ハウスビルダーへの取材件数は300以上に及ぶ。

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