まるでリノベした倉庫!ラフで開放的な家

1,180view2017.06.16

LDK

【中土さん宅(滋賀県)

玄関ドアを開けるといきなり、コンクリート土間のがらんとした空間が。「あっ、そのへんで靴脱いでください(笑)」戸惑っていると中土さん夫妻が声をかけてくれます。ダイナミックな空間に加え、モルタル塗りのキッチンや鉄骨の階段、使い込んだ足場板などワイルドな素材使いは、家というよりまるで倉庫。「そう、『倉庫をリノベーションしたような住まい』というのがコンセプトです」というのは、設計を担当した「アルツ デザイン オフィス」。

ラフな雰囲気が好きで、中古住宅を購入してのリフォームを考えていた中土さん。解体してみないとわからない中古リフォームのリスクを恐れ、新築に方針転換したそう。そこで出会ったのが同事務所。ネットで見つけて「地元にこんな個性的な設計事務所があるとは!」と驚き、見学会でスタッフと話をして依頼を即決しました。

ここに大満足!

  • 古材やモルタルなどインダストリアルで個性的な素材使い
  • 家全体がつながり、テラスに向けて開いた開放感のある間取り
  • パーツを選び、デザインにこだわったオリジナルの造作

 

1F ダイニング&テラス

【こうしてよかった!】フルオープンにできるサッシを開ければ中と外がつながって快適

テラスに向けて大きな開口を設け、たっぷりの光と風をとり入れる設計。「パーティのときはサッシを開け放して、テラスまで使って楽しんでいます」

 

1F エントランス

エントランス

広い土間スペースに棚やラックを無造作に配置。靴や洋服選びがしやすく、靴の手入れやDIYなどの作業ものびのびできます。

スイッチ

【こうしてよかった!】スイッチにもこだわり、建材のサイトで日本製のカッコいいものを発見

 

ラック

【こうしてよかった!】ガス管でつくったラックはしっかり固定されていて使いやすさも◎

 

1F DK

DK

コンクリートの床、古い足場板の天井、黒皮鉄の階段などラフな素材感と、間仕切りや扉のないオープンな空間が、倉庫っぽい雰囲気。

【こうしてよかった!】夏もひんやり気持ちいいコンクリートの床。冬は蓄熱効果に期待

 

DK

以前から愛用している北欧風の家具が、ほどよい味わいとモダンさで、空間がハードになりすぎるのをやわらげています。

 

便利な快適さより、好きなデザインと暮らす心地よさを優先したい

打ち合わせでは付箋をつけた雑誌を20冊ほども見せ、イメージを伝えた中土さん。「好きな素材や暮らし方の話はしましたが、具体的な要望はあえて言いませんでした。設計者の自由な発想をじゃましたくなかったので」。だからファーストプランが提案されたとき、「こうきたか!」と感嘆。ほぼそのままのプランで進めています。

家全体がワンルームのような間取り。吹き抜けの階段ホールで1階と2階もつながっています。間仕切りも扉も最小限にしたプランは、「フレキシブルに使えるから、家を開放して何かしたくなってきますね。ワークショップや作品展などを開いて地域とつながりたい。『住み開き』ということを、この家に住み始めてから意識するようになりました」。

便利に暮らす快適さより、デザインの心地よさを求めたいという中土さん。たとえば洗面室の水栓もシャワーヘッドつきではなく、レトロなスタイルのものを選ぶなど、パーツのひとつひとつにもこだわりを貫いています。

キッチンも自分たちに必要な機能を組み込んだオーダーメイド。収納は、アイアンの棚受けと板でつくったオープン棚や、ガス管で造作したハンガーラック。自分たちなりの価値観をしっかり見据えてつくった家だから、「不便さもストレスもまったく感じません」とさわやかに語る中土さんです。

1F キッチン

キッチン

【こうしてよかった!】シンクとコンロのT字形のレイアウトは予想以上の使いやすさ

料理が趣味のご主人もキッチンのプランに積極的にかかわり、2人で立てるキッチンにしました。

業務用のステンレスのカウンターに、家庭用の中でもハードテイストのガスコンロを選んで設置。レンジフードもシンプルなものを。

1F DK

LDK

【こうしてよかった!】モルタル塗りの天板は耐熱・耐水・耐久性があり、メンテナンスもラク

白い壁の奥はW・I・C。その部分の天井を低くし、上のリビングの床を1段下げることで、DKとリビングのつながりが強くなりました。

構造用合板の壁に武骨な棚受けと棚板。パントリーというよりストックヤードの趣です。最下段はデスクとしても使える高さと奥行き。

 

奥にはソファを置いて読書や音楽が楽しめるスペースに。小さな窓のこもり感がいい。

 

1F W・I・C

【こうしてよかった!】1階のW・I・Cは朝の身支度も帰宅時も動線が合理的

玄関土間から洗面室に通り抜けられるウォークインクローゼット。「靴と服をコーディネートしやすいし、帰宅時もさっと着替えて手洗いできます」と中土さん。

 

1F サニタリー

【こうしてよかった!】水栓金具は機能よりデザインを優先。毎日使うたびに満足です

洗面台は造作のカウンターに実験用シンクを設置。カウンターを斜めにカットし、スツールに座ってお手入れできるスペースを。

バスルーム浴室は割りきってシンプルなシステムバスを選択。窓の向こうは土間スペースです。

 

 

フレキシブルな家だからどう使おう?と考える楽しみもいっぱい

【こうしてよかった!】材の壁は凹凸があり、陰影が生まれて夜の表情も素敵です

2階は壁にも床にも古材をふんだんに使用。特に壁は、サイズも厚みもバラバラの古材を大工さんが1枚ずつ張った、手の込んだものです。

寝室のドアは型ガラスをはめ込んで造作。アイアンの取っ手は中土さんが探したもの。

 

家の真ん中が吹き抜けの階段ホールになっていて、空気も家族の気配も伝わります。手すりは素材の風合いを残した黒皮鉄で造作。

 

2F 寝室

「寝室は小さく、天井も低くていいと思っていました」と中土さん。木に囲まれたコンパクトな空間は、山小屋のようなやすらぎが。

寝室に設けた木枠の室内窓。開けるとリビング越しに子ども部屋まで見渡すことができます。お子さんの様子を見守ったり、風通しのためにも大切な窓です。

 

寝室の壁は構造材の枠をむき出しにしてあるので、小物を飾れるという思いがけない楽しさが。

 

2F リビング

【こうしてよかった!】床は個性的だけれどラフすぎない、モザイクフローリング

2階は段差をつけて空間を分けるプラン。インパクトのある古材の壁を、モザイクフローリングの床で少し落ち着いた雰囲気に。少し下がったリビングはほかの部屋とつながりつつ落ち着きが感じられます。白い壁はコンクリートブロックをペイントしたもの。手仕事の味がカッコいい。

 

2F 子ども部屋

【こうしてよかった!】古材の足場板は子どもが傷つけても気にならない「やさしい」素材

子ども部屋も仕切らずにひとつながりの空間。お子さんの成長に合わせて、自分たちで工夫しながら変化させていくことができます。

外観

外観も倉庫風にするため、小さな窓を規則的に並べました。硬質な金属の素材感に、玄関まわりや軒下の木材があたたかみを添えて。

 

玄関ドアも素材感を生かして造作。長く張り出した軒は雨が室内に入るのを防ぐ働きも。

 

 

設計のポイント

アルツ デザイン オフィス

水本純央さん

1977年滋賀県甲賀市生まれ。建築事務所環境デザイン、意匠建築設計事務所勤務を経て、2012年に現オフィスを共同設立。

久我義孝さん

1982年滋賀県甲賀市生まれ。関西大学工学部建築学科卒業後、意匠建築設計事務所勤務を経て、2012年に現オフィスを共同設立

 

昔からこの場所に存在する倉庫を、施主の手でリノベーションしていったかのようにていねいに設計しました。外部と内部のつながりを大切にしながら、内部空間にはホワイトキューブをひとつ設け、その中にプライバシーの必要な機能を閉じ込めています。全体としてはゆるやかにつながるスキップ空間とし、あえて空間の機能を限定しない平面計画に。耐久性や環境負荷を考慮しながら時間軸までもデザインし、今までそこにあったような深みをつくり出せたと思います。

 

家族構成   夫婦+子ども1人

敷地面積   174.38㎡(52.75坪)

建築面積   72.87㎡(22.04坪)

延べ床面積 119.24㎡(36.07坪)

       1F59.62㎡+2F59.62㎡

構造・工法 木造2階建て(軸組み工法)

工期       5カ月

設計       ALTS DESIGN OFFICE

       ☎0748-63-1025

       http://alts-design.com

施工       ㈱誠工務店

       ☎075-632-8809

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