狭小住宅を建てる前に知っておきたい基礎知識の総まとめ!

436view2017.07.13

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都市部に暮らしたい人が直面する問題といえば、ずばり土地の狭さ。そこで注目が集まっているのが、暮らしやすい狭小住宅のつくり方です。ここでは、まずおさえておきたいベーシックな考え方をまとめました。

そもそも、狭小住宅とは?

一般的な狭小住宅といえば、10~20坪ほどの敷地に建てた、延べ床面積30坪以下の家。もっと小さい、10坪以下の敷地に建てた超コンパクトハウスなどもありますが、現実的には10~20坪ほどの敷地の家を狭小住宅と呼ぶことが多いようです。

特に都市部においては、小さな敷地は住宅密集地にあることが多いため、狭小住宅を建てるときは狭さのほか、採光・通風やプライバシーなどの問題をクリアしなければなりません。それでも狭小住宅が注目されているのは、やはり土地が手の届く価格であることでしょう。狭小・密集地につきものの問題はプランの工夫で乗り越えて、住みたいエリアで便利な暮らしを満喫している先輩たちもたくさんいます。

狭小住宅の実例をチェック!

「狭小住宅の間取りのコツを知りたい! 」 では、プランの基本的なテクニックのほかに、狭小住宅の実例を2 軒ご紹介しています。こちらでは少しだけご紹介します。狭さ解消のほか、明るくて開放的な家にするための数々のアイディアを、ぜひ参考にしてみてください。

 

CASE1

狭小& 密集のダブルハンデも、中庭効果で明るく快適な住まいに!

東京都・石橋さん

ご夫婦ともに東京で生まれ育ったという石橋さんは、利便性の高さを優先させて、都心で約20坪の狭小敷地を購入。それも3 方を建物に囲まれている住宅密集地でしたが、家づくりのパートナーに建築家の瀬野和広さんを選び、明るく開放感のある住まいを実現しました。

中庭

狭小& 密集の悪条件をクリアできたポイントは、この中庭。1 階も2 階もここに向けて窓をとったことで、すみずみまで光が入る住まいになりました。

LDK

コンパクトな壁づけキッチン、造りつけ収納の活用、LDK と水回りを直結させた間取りなど、狭小住宅ならではの工夫が満載!

 

CASE2

ポイントは「開口部」と「間仕切り」。オープンにして狭小住宅でも開放感たっぷり!

Tさん宅( 東京都 )

T さんが見つけた土地は約17坪。住宅密集地で日当たりにも不安がありましたが、建築家の増田政一さんが手がけた実例を見て考え方が一変。「狭小敷地でも明るく広々とした住まいができる! 」と確信して、その土地を手に入れ、見事に難条件をクリアしました。

玄関ホールとバスルームをガラスで仕切るという、驚きのテクニックを採用。空間が広く感じられるうえ、入浴中の圧迫感もありません。

リビング

2 階のLDK は伸びやかな吹き抜け。バルコニー越しにグリーンも見えて、都市部にいることを忘れてしまいそうな空間です。

事例をもっと見たい方はこちらから→「狭小住宅の間取りのコツを知りたい! 」 

 

10坪以下のおしゃれな実例が見たい!

狭小住宅の中には、なんと建坪( 建築面積 )10坪以下という例もあります。建築面積10坪以下! 究極の狭小住宅に学ぼうでは、建築面積9 坪の超コンパクトハウスをご紹介。小さくても狭さを感じさせない工夫はもちろん、収納の設け方、趣味のスペースのとり入れ方まで、注目のアイディアが満載です。

 

CASE STUDY

建築面積9! 都心に建てた、明るく伸びやかなコンパクトハウス

小林さん( 東京都 )

お母さまから受け継いだ15坪ほどの敷地に、家を建てることになった小林さん。住宅雑誌で狭小住宅が得意なパートナーを探し、建築家の杉浦伝宗さんに設計を依頼しました。小さな敷地でも、シンボルツリーの見えるLDK や、バルコニーの家庭菜園まで実現。ガラス越しにたっぷりと光の入るバスルームも、都心とは思えない開放的な空間です。

道路側から見た外観。1 階に植えたシンボツルリーのヤマボウシが、バルコニーを突き抜けて2 階まで届いていることがわかります。

1 階の和室には、畳の下のデッドスペースを生かした収納が。超コンパクトハウスならではの工夫です。

2 階はワンルームのLDK のみ。バルコニーには念願だった家庭菜園をつくりました。

ガラスの勾配天井のおかげで、明るく開放感たっぷりの洗面室& 浴室が完成。気持ちよさそう!

事例をもっと見たい方はこちらから→「建築面積10坪以下! 究極の狭小住宅に学ぼう

 

快適に暮らせる3 階建ての狭小住宅とは?

小さな敷地でも広く暮らせる、日当たりのいい23 階にLDK をつくれるなど、メリットいっぱいの3 階建て。狭小敷地ではぜひ検討したいプランですよね。狭小住宅でも3 階建てなら伸び伸び暮らせる!では、3 階建てをプランする際のポイントをはじめ、3 階建ての成功実例もご紹介しています。

 

CASE STUDY

都市部の住宅密集地に実現! 日当たりにも眺望にも大満足の3 階建て

S さん宅( 東京都 )

高層マンションに暮らした経験から、一戸建てでも眺めにこだわったというS さん。敷地は都市部の旗竿敷地でしたが、条件を生かした3 階建てを選択して、理想だった眺望抜群の住まいを実現しました。

階段

2 階のリビングには、圧迫感のないスケルトン階段をプラン。狭小住宅で効果あり! のアイディアです。

キッチン

ダイニングには、東京タワーを見渡せるコーナー窓が。トップライトからも明るい光が入ります。

 

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3 階のセカンドリビングも眺めは抜群! 将来は子ども部屋として使う予定だそう。

事例をもっと見たい方はこちらから→狭小住宅でも3 階建てなら伸び伸び暮らせる!

 

狭小住宅ではインテリアをどう選ぶ?

新居のインテリア計画は、家を建てる前から立てておきたいもの。どんな家具をどう配置するかによって、間取りプランにも影響が出るからです。狭小住宅でのインテリアの選び方は、マンションや団地などの小さな住まいのインテリア実例を取り上げ、そこから狭小住宅のインテリアについて学ぶという特集です。内容をちょっとご紹介すると……

  • わずかなくぼみや空間をフル活用する
  • 白をベースにして開放感を出す
  • LDの“ 家具3 点セット" にこだわらない
  • 鏡を使って広がりを演出する
  • ハンギングでグリーンを楽しむ
  • 大物家具より小家具をチョイス

などなど。また、特集の後半では小さな家での暮らし方についてのアドバイスも。これから狭小住宅を考える人は、ライフスタイルのイメージづくりにも役立てて。

インテリア事例を見たい方はこちらから→「狭小住宅でのインテリアの選び方

 

狭小住宅での収納アイディア& テクニック

生活スペースの小さい狭小住宅では、収納をどこにどうつくるかは大きなテーマ。小さくてもモノのあふれていない、すっきりした空間を目指したいですよね。「狭小住宅の片づく収納計画のコツ」では、特に狭小住宅で役立つ収納スペースのつくり方を解説しています。アイディアの一例を挙げると……

  • デザインのいい小ぶりな置き家具と、機能的な造りつけ収納を併用する
  • 造りつけ収納は大工さんに依頼するとローコスト
  • 収納は間口を広く、奥行きを浅くつくる
  • 納戸は通路の両側に浅い棚のあるⅡ型がおすすめ
  • 洗面所には想像以上に収納スペースが必要
  • 狭小住宅でも玄関の大型収納が人気

この特集でも、最後にミニマルな暮らしについて考えています。収納計画を考えるだけでなく、家づくりを機に生活そのものを見直してみるのもいいかもしれません。

収納計画の事例を見たい方はこちらから→「狭小住宅の片づく収納計画のコツ」

 

狭小住宅での理想のキッチンプランとは?

狭小住宅でもキッチンにはこだわりたい! という人は多いよう。コンパクトで無駄がなく、収納もしやすく、ストレスフリーなキッチンを目指したいですよね。

ここで挙げるのは、狭小住宅でよく採用されるキッチンプランの例。詳しくは「狭小住宅に向くキッチンプランで解説してあります。

 Ⅰ型キッチン……シンク・コンロ・冷蔵庫などを壁に向けて一列に配したプラン。横に移動するだけで作業でき、省スペースなので狭小住宅に向いている。

  • Ⅱ型キッチン……I 型キッチンの背面にキャビネットやカウンターなどを設けたプラン。収納スペースが多く、振り向くだけで必要なものに手が届くので、作業効率も○。
  • 一列型キッチン……キッチンカウンターとダイニングテーブルを一列につなげるプラン。横移動だけで配膳や後片づけができ、家族が自然にふれあえる。

 ほかには、ずばり「狭小住宅には向かないキッチン」や、キッチン計画に役立つチェックポイントなどをご紹介しています。自分たちの暮らし方や家事のしかたも、ぜひキッチンプランに反映させてください。

狭小住宅のキッチンプランの事例を見たい方はこちらから→「狭小住宅に向くキッチンプラン

 

狭小住宅での階段づくりのルールとは?

意外と面積をとってしまう階段も、狭小住宅ではテーマの1 つに。らせん階段などを使って省スペースにするという考え方がある一方で、ゆったりした階段を生活空間の中で積極的に生かすというアイディアもあります。狭小住宅での階段はどうプランすればいいの? では、実例を交えながら詳しく解説しています。

ジブリ美術館をイメージした、ギャラリーのようならせん階段。省スペースでも楽しい!

2 階の階高を抑えたことで、短くてコンパクトな階段が完成。12 階の一体感も味わえます。

階段をあえて広げて、ほかの役割をもたせた例。踊り場がワークスペースを兼ねています。

土間+オープン階段+本棚を組み合わせたユニークな空間。狭小住宅でもゆとりが感じられます。

もっと詳しく事例を見たい方はこちらから→「狭小住宅での階段はどうプランすればいいの?

 

狭小住宅でも広々!?  スキップフロアのメリットとデメリット

狭小住宅に効くプランとして注目されるスキップフロア。ただ、このプランにもメリットとデメリットがあり、とり入れ方にもポイントがあります。ここでは要点をざっと挙げてみましょう。

< スキップフロアのメリット >

  • 空間がつながっているため、開放感が感じられる
  • 家族のけはいが伝わりやすい
  • 床のレベル差などを利用して、収納スペースを確保しやすい
  • 周囲の家と窓の高さがズレるため、プライバシーを守りやすい

< スキップフロアのデメリット >

  • フロアの段差をつくるために建築コストがかかる
  • 特殊なプランにあたるため、依頼先が限られる
  • 階段の上り下りが必要なので、シニアには暮らしにくい
  • 空間がつながっているため、冷暖房が効きにくい
  • 音が響きやすい

 スキップフロアで狭小住宅の難点を解消!では、このメリット・デメリットについて詳しく解説。さらに狭小×スキップフロアの成功実例もご紹介しています。

 

先輩建主さんに聞く!  狭小住宅についての素朴な疑問

狭小住宅についてのよくある疑問を、実際に狭小住宅を建てた18組の建主さんたちにリサーチ。小さな家のメリットや正解だったプランなど、住んだ人だけが実感できる狭小住宅の住み心地がわかります。

Q 小さな家を選んだ理由は?

1 位  予算内で購入できる敷地の広さの都合で

2 位  建築コストを抑えるため

3 位  立地のよさを重視したので、面積の優先順位は低かった

4 位  使わない部屋や無駄なスペースができるのがいやだった

5 位  建物を小さくして、建材や設備にこだわりたかった

 

Q 小さな家にどんなメリットを感じている?

1 位  間仕切りの少ない開放的な家になった

2 位  無駄なスペースのない家になった

3 位  家族の気配が感じられる

4 位  敷地を安く買えた分、建材や設備にこだわることができた

5 位  家族が自然と1 カ所に集まる、にぎやかな家になった

 

Q 狭小住宅の住み心地をアップしているプランは?

1 位  オープンキッチン

2 位  室内につながるデッキ、ベランダ、中庭

3 位  吹き抜けのLDK

3 位  ワンルームのLDK

5 位  標準より高く設定した天井

5 位  ウォークインクローゼットや納戸などの大型収納

 

Q 狭小住宅でもここだけは広くしたい! と希望したのは?

1 位  リビング

2 位  キッチン

3 位  洗面・脱衣室

 

狭小住宅の住み心地については、ほかにも「掃除がラク! 」「無駄な動きがない」「余計なものを持たなくなった」などの声も。小さな家での暮らしを前向きにとらえれば、こんなにメリットがあるんですね。

まとめ

快適に暮らせる狭小住宅をつくるには、プランにもインテリアにも抑えておきたいポイントがあります。キッチンや収納、階段など、それぞれのスペースについて詳しく解説したページも、ぜひ参考にしてみてください。

 

この記事のライター:後藤由里子
主婦の友社刊「はじめての家づくり」をはじめ、数々の住宅・生活関連記事を手がけるライター。キャリアは20年、これまでの実例や建築家、ハウスビルダーへの取材件数は300以上に及ぶ。

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